コラム

どのような出来事からも、学びはみつかる②

(続き)学習時間が終わり、私は徒労感に襲われました。「指導力のない私は、子どもに学習させる事が全然出来なかった。完全に失敗に終わった。」と思いました。まったくダメダメな話だと思いました。

 ただ、思い返してみると、不思議な点がありました。それは、「自主学習が嫌だ」という思いだけによる行動でしたら、子ども達は同時に教室から姿を消して構わないはずです。むしろ、その方が効果的です。ところが必ず、①一人ずつ順に部屋外に出る。②迎えに行くと、ひとしきり「いやだー」と言ってみるものの、案外笑みを浮かべながら、教室に戻る。③教室にいる他児は、静かに、そして何となく嬉しそうに、一連のやりとりをずっと見ている。という点でした。

はてな?と思った私は、思い切って、職員ミーティングでありのままを報告しました。

すると、うなづきながら聞いておられた先輩の職員が口を開いて下さいました。この先輩は、D子ちゃんの担当の職員です。実はD子ちゃんの方から担当の先生である先輩へ、このエピソードを嬉しそうに話してきたのだそうです。先輩は、「誰がいなくなっても、迎えに行き戻ってくる」「同じ対応を一貫して続ける」ことが、D子ちゃんの安心感を高めるのに、ちょうど良かったみたい、と感じたのだそうです。

私は、先輩からの思いがけないコメントを聞き、びっくりし、新たな視点をいただくと同時に、大きく励まされました。(③に続く)